2016年のキズナアイ誕生から10年目を迎えるVTuber業界で、黎明期を牽引したパイオニアたちの大型イベント登場が相次いでいる。産業規模の拡大とともに、初期クリエイターの存在感が改めて評価される流れが強まっている中、その象徴的な場となる大規模博覧会に1世代アイコンの参加が正式に決まった。
VTUBER EXPO実行委員会(幹事:株式会社VEXZ、旧バーチャル・エイベックス)は、2026年5月3日(日)から4日(月・祝)の2日間、東京・千代田区のベルサール秋葉原1Fで開催する体験型博覧会「VTUBER EXPO 2026」の最新出演情報を公開した。世界初のバーチャルYouTuber「キズナアイ」を運営するKizuna AI Inc.が特設ブース出展を決定したほか、世界初の男性VTuberとされる「ばあちゃる」が5月3日のステージイベントで司会を務める。
開催時間は両日11時から17時30分まで。入場は基本無料で、混雑緩和のため特典付き優先入場チケットも販売される。チケットにはプライオリティパスとリストバンドが付属し、指定された1時間枠で優先入場が可能となる。販売開始は4月18日(土)12時から、受付は「LivePocket」(livepocket.jp/e/vtuber-expo2026)にて行われる。
体験ブースも多彩な顔ぶれが揃う。VEXZブースではバーチャルライブのスイッチング・演出操作体験、Live2Dブースでは高精度トラッキングアプリ「nizima LIVE」の体験、Avvyブースではスマートフォン1台で1,000万通り以上の組み合わせから2Dアバターを作成できるアプリを提供する。SPICEブースはマーカーレスモーションキャプチャー「Movin」を出展し、専用スーツなしで全身モーションを取得する技術を披露する。このほか、HIKKYによる立体アバターとのコミュニケーション体験、国内累計1,800万ユーザー超のライブ配信アプリ「ミクチャ」とバーチャルデート体験「ときめきVR」、ProjectBLUEが運営するバーチャルライブ空間「vortex」のインタラクティブ投げ銭体験なども用意される。HIKKYが主催するバーチャルマーケット(Vket)のリアル会場「VketReal」で展開される「イマーシブストア」も出張出展する。さらに、タテ読み漫画『神血の救世主〜0.00000001%を引き当て最強へ〜』とのコラボステージも決定し、公式コスプレイヤーのはるいぬ氏と、ヒロイン・サーヤとしてVTuber活動を行うナンバーナインの担当編集・遠藤寛之氏が登壇する。会場限定物販では、参加VTuberの撮り下ろし3Dビジュアルを用いたアクリルスタンドやキーホルダー、ハート型缶バッジガチャ、新作カードゲーム「NEXUS」のプラスチックパートナーカード、限定Tシャツ・パスケース・モバイルバッテリーなどが並ぶ。
今回のラインアップが注目される背景には、両者がVTuberカルチャーの起点に位置する存在だという点がある。キズナアイは2016年12月に活動を開始し、2022年2月26日のラストライブ「Kizuna AI The Last Live “hello, world 2022″」をもって無期限活動休止に入ったのち、3年を経た2025年2月26日に音楽アーティスト「KizunaAI」として活動を再開した。ばあちゃるは2017年7月にデビューした世界初の男性バーチャルYouTuberとされ、株式会社アップランドが展開する「.LIVE(どっとライブ)」で現在も活動を継続している。VTuber誕生10年というタイミングと両者の登場が重なる形となり、本博覧会の位置付けに厚みを加えている。主催は「VTuber文化の”現在地”と”未来図”を提示する節目の博覧会」と位置付けており、50名超の人気バーチャルアイドルが集う「Life Like a Live!(通称:えるすりー)」とのコラボレーションも既に決まっている。
一方で、国内最大級とされるカバー運営の「ホロライブ」やANYCOLOR運営の「にじさんじ」といった大手プロダクションの公式参加については、現時点で告知されていない。今後順次解禁される出展者情報やステージプログラムの内容が、本イベントの業界的な射程を左右する注目点となる。実行委員会は公式サイトおよび公式X(@VTUBEREXPO_JP)を通じて情報を随時公開していく方針だ。

