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米Virtuix「Omni One」、Meta Quest公式アクセサリーに認定

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VRハードウェア市場において、没入型移動デバイスが新たな成長段階を迎えている。グローバルVRトレッドミル市場は2024年時点で約1億5000万ドル(約225億円)規模と推定され、2034年までの年平均成長率は10%超が見込まれている(Market.us調べ)。この分野を牽引する米国企業Virtuix(バータックス)が、Metaの公式パートナープログラムに参加し、コンシューマー市場への本格的な攻勢を開始した。

Virtuix Inc.(NASDAQ: VTIX)は2月17日(現地時間)、Meta PlatformsのMade for Metaプログラムに加入したと発表した。これにより、同社のVRトレッドミル「Omni One」がMeta Questヘッドセットおよびコンテンツと互換性を持つ公式認定アクセサリーとなる。VRトレッドミルがMade for Meta認定を取得するのは今回が初めてとなる。

Omni Oneは、直径約1.2mの円形プラットフォーム上で専用スライディングシューズを着用したユーザーが、360度方向に歩行・走行・しゃがみ・ジャンプできる家庭用VR移動デバイスだ。足に装着されたトラッカーが動きを検知し、仮想空間内の移動に変換する仕組みで、可動式アームに取り付けられた安全ハーネスがユーザーを支える。本体重量は68kgだが、内蔵ホイールにより室内での移動が可能。2024年秋に米国で発売され、発売時には約50タイトルのVRゲームがOmni One向けに最適化された状態で提供された。

これまでVirtuixはMetaの競合であるPicoのエンタープライズ部門と提携しており、Omni OneはPico 4 Ultra Enterpriseヘッドセットとのバンドル販売、またはPC VRヘッドセットとの接続で運用されていた。今回のMade for Meta加入により、スタンドアロン型のMeta Quest 3およびQuest 3Sとの直接互換が実現する見通しだ。具体的な互換スケジュールと製品構成については後日発表するとしている。

VirtuixのJan Goetgeluk(ヤン・フートヘルック)CEOは「Made for Metaプログラムへの参加により、すでにVRヘッドセットとゲームライブラリを所有する数百万人のQuestユーザーにリーチできるようになった」と述べた。さらに「大量のコンシューマー販売と高利益率の防衛産業契約を組み合わせた”デュアルユース”戦略が、持続的な成長と長期的な株主価値の創出を支える」と語った。

米国での現行価格は、Pico VRヘッドセット付きフルパッケージが3495ドル(約52万4000円)、ヘッドセット非同梱のPC VR専用パッケージが2595ドル(約38万9000円)。Meta Quest互換後の価格やパッケージ構成の変更については未定としている。Virtuixは2月11日に欧州市場への進出も発表しており、PC VR専用モデル「Omni One Core」をドイツ、英国、フランスなど主要市場で販売する。価格はEU圏が2995ユーロ、英国が2795ポンド(いずれもVAT込み)で、初回出荷は4月13〜24日を予定している。

Virtuixは2026年1月27日にNASDAQグローバル・マーケットに上場し、ティッカーシンボルはVTIX。2025年9月30日時点の半期売上高は前年同期比138%増を記録し、月間最大3000台の生産体制を整えている。これは年間約1億ドル(約150億円)の売上ポテンシャルに相当する。また最近では、AI駆動の3D再構成技術を活用し、実在する場所のカメラ映像をフォトリアルなバーチャル空間に変換してOmni Oneで探索できる機能も披露した。

Made for Metaプログラムには、Omni Oneのほか電動回転チェアやハプティクスベストなどの没入感強化アクセサリーが登録されており、Logitech(ロジテック)やAnker(アンカー)といった大手パートナー企業の製品もラインアップに含まれる。

VRトレッドミルは依然としてニッチな製品カテゴリーにとどまっているが、世界最大のXRプラットフォームであるMetaとの公式提携は、同カテゴリーの大衆化に向けた大きな一歩となる。Metaは数千万台規模のQuestヘッドセットが普及する世界最大の没入型プラットフォームを運営しており、Virtuixの潜在顧客層は大幅に拡大する。一方で、ヘッドセット本体価格の数倍に達する高い購入コストと、設置に必要な相応のスペースは、一般消費者への普及における主要な障壁として残る。防衛産業とコンシューマー市場の二刀流戦略、欧州展開、そしてMeta生態系への統合を通じて、Virtuixがこの障壁をどう克服していくかが注目される。

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