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AIチャット「zeta」、にじさんじ無断使用プロットを全面削除へ ANYCOLORが要請

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AIチャットサービス「zeta(ゼタ)」は10月12日、サポートセンターの告知で、VTuberグループ・にじさんじを運営するANYCOLOR株式会社から、同社が権利を有するにじさんじ関連コンテンツの無断使用について報告を受け、許可なく使用しているプロットの全面的な削除要請があったと発表した。zetaは権利者の要請に基づき該当プロットの削除を進めており、対象はANYCOLORが権利を持つにじさんじ関連のキャラクター名・画像・設定などを権利者の許可なく使用しているプロット。削除件数や完了時期は公表していない。同社は該当プロットを作成・共有しているユーザーに「予期せぬ不利益を避けるため、速やかに該当するプロットを削除するなど、自主的な対応をお願いいたします」と呼びかけ、すでに公開中の二次創作プロットも権利者の要請や運営規約に基づく判断で削除・利用制限を行う場合があること、今後も無断使用が確認されれば事前予告なく削除し作成者に利用制限を課す場合があることを案内した。今回の件はzeta側の告知で明らかになったもので、ANYCOLORによる別途の発表は確認されていない。

zetaは、韓国のAI企業Scatter Lab(スキャターラボ)が2024年4月に韓国でリリースし、同年5月に日本で正式サービスを開始したAIチャットサービスだ。ユーザーがキャラクターの性格や口調、人物関係、物語の舞台を設定し、生成AIとの会話でストーリーを展開できるほか、自作のコンテンツを公開して他のユーザーに体験してもらうこともできる。こうしたコンテンツはサービス内で「プロット」と呼ばれ、単独キャラクターとの会話から複数の登場人物や世界観を含む物語へ発展したことを理由に、2026年3月に従来の「キャラクター」から名称が変更された。Scatter Labが公開した内部集計(2026年8月時点)では、グローバル累計登録ユーザーは1,200万人、日本国内の累計登録ユーザーは400万人を超え、公開コンテンツ数は300万件以上。日本の1日平均利用時間は約5時間、日本のデイリーアクティブユーザーは100万人以上としている。zetaは以前から版権キャラクターの無断使用を禁じており、2026年1月23日付の公式案内で、作成・使用できるキャラクターをユーザー自身が制作したオリジナルキャラクターに限定すると明示。芸能人・アイドル・YouTuber、漫画・アニメ・ゲームのキャラクターなど第三者の権利を侵害するキャラクターや画像の使用を禁止し、「個人使用自由」とされる外部画像もzetaで使う場合は別途許可が必要、実写に近いAI生成画像やwikiなど外部サイトの内容をそのまま引用する行為、他のキャラクターの画像・内容の盗用も違反と定めている。つまり今回の発表は既存IPの使用を新たに禁じたものではなく、従来禁止されていた無断使用に対して権利者から具体的な削除要請を受けた事例に当たる。

ANYCOLORは二次創作ガイドラインを公開し、一定の条件下でファンの二次創作活動を認めている。2025年5月23日改定のガイドラインは世界中の個人および法人格を持たない団体の二次創作活動に適用され、法人には個別の問い合わせを求めるとともに、他の事業の宣伝・広告目的での二次創作作品の利用を禁止。さらに同社が必要と判断した場合には利用者に個別にコンテンツの利用中止を求めることがあると定めている。一方、Scatter Labは既存IPとの公式協業に意欲を示しており、公式サイトでゲーム・アニメ・マンガ・小説・映像・VTuberなどキャラクターや世界観を持つ権利者に向けて提携を募集。ファンがIPのキャラクターと直接出会い、その世界の主人公になれる「公式インタラクティブストーリー」をはじめ、二次創作コンテストやシーズンイベントといったファン参加企画、新作公開・記念日に合わせたキャンペーン、日本・韓国・英語圏のユーザー基盤を生かしたグローバル展開を協業メニューとして提示し、すべての公式IPコラボレーションは権利者と合意した基準に基づいて運営すると説明している。

プラットフォームの著作権責任をめぐる議論は、韓国で先に表面化していた。カカオエンターテインメント、RIDI、レジンエンターテインメント、キダリスタジオ、Toomics、TOPCO MEDIAのウェブトゥーン(縦読み漫画)プラットフォーム6社は2025年12月以降、Scatter Labを著作権法違反ほう助の疑いでソウル城東(ソンドン)警察署に相次いで告訴した。ウェブトゥーン業界側は、zetaが通報されたキャラクターに最小限の削除対応をするだけで再発防止策を取らず、ウェブトゥーンのタイトルやキャラクター名を検索キーワードとして露出させユーザー流入に利用していたと主張。これに対しScatter Lab側の代理人は、専用窓口に通報があれば1〜3時間以内に削除し1日平均900件以上の対応を行っており、現行の韓国著作権法上プラットフォームに事前モニタリング義務はないと反論し、RIDIとキダリスタジオによる告訴については警察が「嫌疑なし」として不送致(却下)の決定を出したと説明している(韓国メディア・イーデイリー5月8日報道)。Scatter Labの2026年上半期売上高は709億ウォン(約83億円)で、2025年通年の267億ウォン(約31億円)の2.7倍に達し、営業利益は52億ウォン(約6億1,000万円)を記録した(韓国メディア・マネートゥデイ10月12日報道)。今回のにじさんじの件も権利者の通報を受けて削除する同じ構図で、台湾のゲームメディア4Gamersは、zetaの発表後もホロライブやぶいすぽっ!など他事務所のVTuberの二次創作プロットが検索できる状態だと報じている。

今回の措置により、ユーザー制作コンテンツに対する権利者の介入はAIチャットサービスにまで広がった。他のVTuber事務所が同様の要請に動くのか、Scatter Labが掲げる公式IP協業がVTuber業界へつながるのかが、次の注目点となる。

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