ホロライブインドネシア(hololive Indonesia、以下ホロライブID)所属のバーチャルストリーマー・こぼ・かなえるが、リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends、以下LoL)の北米プロリーグ「LCS」のスプリングスプリットにおいて、公式コストリーマーに選出された。LCS公式Xアカウント@LCSOfficialが4月1日に発表した。
コストリーマーとは、大会主催者から公式に承認を受け、試合映像を自身のチャンネルで配信しながら視聴者とともに観戦するストリーマーを指す。日本では「ウォッチパーティ」として馴染みのある形式だ。LCSのコストリーマー制度はこれまで、ダブルリフト(Doublelift)、スニーキー(Sneaky)、メテオス(Meteos)ら元プロ選手やLoL競技シーンに精通した配信者を中心に運営されてきた。バーチャルストリーマーがLCS公式コストリーマーに選ばれるのは今回が初めてとなる。
こぼ・かなえるは2022年3月、ホロライブID3期生としてデビュー。歌、雑談、ゲーム配信を中心に活動し、YouTubeチャンネル登録者数は約275万人を数える。インドネシア語と英語のバイリンガル配信を行っており、東南アジアを中心に幅広いファン層を持つ。Riot Gamesとの関わりも深く、2023年にはポーター・ロビンソン(Porter Robinson)がRiot Gamesとのコラボレーションで発表したLoL公式楽曲「Everything Goes On」のカバーを公開。同年12月には横浜・Kアリーナで開催された「Riot Games ONE 2023」にて、紫咲シオン、ラプラス・ダークネス、ハコス・バエルスとともにK/DAの「POP/STARS」「THE BADDEST」を3Dライブで披露している。
こぼ・かなえるが参加するLCSスプリングスプリットは、4月4日から6月14日にかけて米ロサンゼルスのRiot Games Arenaで開催される。8チームがBO3(3本先取2勝制)のシングルラウンドロビン方式で正規シーズンを戦い、上位6チームがプレーオフに進出。上位2チームには2026ミッドシーズンインビテーショナル(MSI)への出場権が与えられる。2026年シーズンのLCSはロックイン(Lock-In)、スプリング(Spring)、サマー(Summer)の3スプリット体制に復帰し、全スプリットでフィアレスドラフト(Fearless Draft)が適用される。
なお、こぼ・かなえるはPC版LoLの配信実績がない。インドネシアを含む東南アジア地域ではPC版LoLよりもモバイルMOBAゲームが広く普及しており、これまでリーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト(League of Legends: Wild Rift)やモバイル・レジェンド:バンバン(Mobile Legends: Bang Bang)などスマートフォン向けタイトルを中心に配信してきた。LCSが英語圏を中心としたリーグであることを踏まえると、英語配信が可能な東南アジア拠点の大型バーチャルストリーマーを起用することで、北米以外の地域のLoLファン層との接点を確保するRiot Gamesの戦略的意図がうかがえる。
eスポーツ大会のコストリーミング制度は、従来その競技タイトルの元プロ選手や専門解説者が中心を占めてきた。欧州リーグ「LEC」の2026年コストリーマー陣容も同様の傾向にある。こうした中、LoL競技シーンと直接的な関わりを持たないバーチャルストリーマーが北米最上位リーグの公式コストリーマーに選出されたことは、eスポーツの放送エコシステムにおいてバーチャルクリエイターの影響力が拡大していることを示す事例と言える。

