PLAVE(プレイブ)が自国のファンダムを足場にバーチャルボーイズグループの道を切り開いたとすれば、HYPEVERSE(ハイプバース)は最初から世界中のオタクに照準を合わせてスタートラインを引いた。企画段階で米国市場とアニメファン層をコアターゲットに据え、英語の歌詞、グローバル配信、2Dキャラクター感覚の世界観をワンセットで設計した5人組だ。自国ファンダムから海外へ広がった異世界アイドル(ISEGYE IDOL)やPLAVEの世代の次に来る、最初から海外市場と特定のファン層を狙って設計された「第4世代バーチャルアイドル」である。10月7日に公開されたプレデビューシングル『Weirdo』のMVは、その設計図をひと目で見せる映像だ。
HYPEVERSEは7日18時に『Weirdo』をSpotify、Apple Music、YouTube Musicなど各音楽配信プラットフォームでリリースし、同日、公式YouTubeチャンネル「Hypeverse World」にオフィシャルMVを公開した。流通は世界3大レーベルの一角、ユニバーサル ミュージックのネットワークを通じて行われる。HYPEVERSEはコンテンツテック系スタジオのPhilandart Studioが企画・制作するグループで、メンバー全員が英語で歌い、ファンとのコミュニケーションも英語で行う。動画の概要欄に添えられた「A little different. A little chaotic. Unapologetically us.」というフレーズは、少し変わっていて少しカオスだけれど、それが自分たちだというチームの姿勢をそのまま言い表している。
メンバーはLEVIN(レビン)、ATO(アト)、TAKUMI(タクミ)、REN(レン)、KIRO(キロ)の5人。MVはアメコミの1ページのようにスクリーントーンと集中線を敷いたコマの上に名前を躍らせる紹介カットから始まるが、紹介カットが用意されたのは5人のうち4人だ。赤髪にゴーグルを乗せたLEVIN、金髪でヘッドホンを首に掛けたTAKUMI、黒髪にフード付きジャケットのREN、銀髪を垂らして逆さまに登場するKIROが、それぞれ異なる演出で名前を刻む。残る1人のATOは、頭に角を生やしたデザインで映像に登場する。角のあるATOのデザインは、制作側が世界観のモチーフとして明かしている鬼や九尾の狐といった東洋の説話的要素を想起させる。これまでに公開されたメンバートレーラーはTAKUMI、ATO、LEVINの3本だ。

メンバーとは別に、彼らの傍らを彩るマスコットキャラクターも4体登場する。イチゴ飾りの帽子をかぶりロリポップの間に座るPICO PICO(ピコピコ)、つば広の帽子に皿を持った丸いフォルムのGON GON(ゴンゴン)、ピンクの羽でメンバーの頭上を飛ぶBANI MARU(バニマル)、炎を推進力に跳び上がるSAHO(サホ)で、メンバーと同じ形式の紹介カットに名前付きで登場する。これとは別枠で、ブルドッグのキャラクターMAKO(マコ)は先にダンスカバー動画で公開済みだ。ラストシーンは、新たなキャラクターの登場を匂わせる演出で締めくくられる。
歌詞は英語を基本にしたもので、語り手は自らを「変わり者(Weirdo)」と呼ぶ人物だ。好きな相手への想いを、音源のストリーミングや「スタン(stan)」といったファンダム用語、明け方まで止まらないアニメの一気見、限定版コレクションといった推し活の日常になぞらえて歌う。歌詞には「Otaku(オタク)」や、中国語読みで二次元を指す言葉がそのまま登場し、童話『不思議の国のアリス』を借りた比喩も織り込まれている。人と違う自分を認めたうえで、それでも好きでいてくれるかと問いかける内容は、制作側がリリース前に掲げた「変わり者も愛される」というメッセージと重なる。ジャンルはバブルガムポップ。公開当日の夜の時点で、動画のコメント欄には英語や日本語、韓国語、スペイン語など多言語の反応が並んだ。YouTubeのおすすめに流れてきて初めて知ったとしてグループの正体を尋ねる声、まだデビュー前だと知って驚く声、推しメンバーを決める声やキャラクターに触れるコメントが続いている。公式アカウントはYouTube、Instagram、Xいずれも@hypeverse_world。

