Metaが仮想現実(VR)オペレーティングシステムを外部メーカーに開放する戦略を事実上中断した。
Metaは昨年、自社VR OS「Horizon OS」を他のヘッドセットメーカーに開放すると発表し、ASUS(エイスース)とLenovo(レノボ)を最初のパートナーとして公開していた。しかし最近、同プログラムを一時中断し、自社ハードウェア・ソフトウェア中心の戦略へと方向転換した。Metaは「VR市場を発展させるために必要な世界最高水準の自社ハードウェアとソフトウェアの構築に注力している」と説明した。
ASUSは自社ゲーミングブランド「ROG(Republic of Gamers)」名義の高性能ゲーミングVRヘッドセットを準備中と発表しており、Lenovoは生産性・学習・エンターテインメントに重点を置いた複合現実(MR)デバイスを計画していると説明していた。ただし両社とも2024年にヘッドセット計画を初めて発表して以来、具体的な開発進捗や発売日程を公開していない。Metaの今回の決定により、実際の発売可能性はさらに不透明になった。
今回の戦略変更はMetaの最近の事業方針と一致している。今年のMeta Connect(メタコネクト)イベントではVR関連の発表が相対的に減少し、スマートグラスが中心的な話題として浮上した。MetaがVRよりも次世代ウェアラブルと人工知能(AI)搭載デバイスに重点を置いていることを示している。
Metaは長期的に外部メーカーとの協力の可能性を完全には排除していない。同社は「長期的にはこの分野へのコミットメントを維持しており、市場が成熟するにつれてサードパーティデバイスパートナーシップの機会を再検討する」と述べ、今後のVRエコシステムの状況に応じて戦略を再調整する余地を残した。
