ファンがアーティストの名前で寄付を行う文化は、韓国のアイドルファンダムでは既に定着している。誕生日やデビュー記念日にファンが資金を集め、アーティスト名義で寄付先に届ける方式が代表的だ。韓国のバーチャルアイドル・VTuber投票プラットフォームtopceleVは、これに別の経路を一つ加えた。ファンが投票に使った票が、月末にグループ名義の寄付へと変わる仕組みである。その最初の結果が9月17日、証書となって戻ってきた。
韓国の国立がんセンターの支援財団である国立がんセンター発展基金は2026年9月17日、異世界アイドル名義で50万ウォン(約5万4000円)の寄付金を受け入れ、寄付証書第2026-011号を発行した。分野は文化芸術支援。証書には「愛と真心が込められたご寄付は、がん患者様の生活の質を向上させ、がんの心配のない社会を築くために活用させていただきます。ここに、尊敬と感謝の意を表し、この証書を贈呈いたします。」と記されている。同基金はがん研究、患者診療、国家がん対策事業、研究人材の育成などを支援しており、寄付金は間接費を差し引かず全額が国立がんセンターの事業に充てられる。
今回の寄付は、topceleVの8月月間投票におけるグループ部門の報酬だ。8月1日から31日まで行われた初の月間投票で、異世界アイドルはグループ部門累計600万59票で1位となり、同グループのINEが個人部門累計548万7936票で1位を獲得した。topceleVの規定では、個人部門の月間1位が最低得票基準を満たした場合、当該候補に米ニューヨーク・タイムズスクエアのデジタル大型ビジョン広告が提供され、同じ月のグループ部門1位の名義で寄付が行われる。8月は両方の条件が満たされ、広告と寄付がともに確定した。
今回の寄付は二つの点で従来のファン寄付と異なる。一つは、寄付金をファン自身が集めたのではないことだ。ファンは投票に参加し、寄付そのものはプラットフォームが報酬規定に基づいて執行した。もう一つは、寄付名義が個人ではなくグループである点だ。topceleVでは個人候補への票が所属グループのグループ部門得票に自動的に合算されるため、異世界アイドルの600万59票にはINEをはじめとするメンバーへの個人票が反映されている。同じファンダムの票が、INEへのタイムズスクエア広告と異世界アイドル名義の寄付という二つの異なる形に分かれた格好だ。異世界アイドルは韓国のWakentertainment所属の6人組バーチャルアイドルグループで、2021年12月に1stアルバム「RE:WIND」でデビューした。
INEに確定したタイムズスクエア広告は、放映日程や広告素材、制作規格などを調整したうえで別途告知される。9月の月間投票は現在進行中で、韓国時間30日24時に締め切られる。9月からは個人部門月間1位の最低得票基準が累計400万票となり、基準を満たせば9月のグループ部門1位の名義で2回目の寄付が執行される。

