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バーチャルIP市場が拡大、「プレイブ」などが大衆化へ

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韓国発のバーチャルアイドル「プレイブ」や「イセドル」などが国内外で高い人気を博し、バーチャルIP(知的財産)が本格的に大衆化の道を歩み始めている。これまでコアなファン層に支えられてきたバーチャルコンテンツは、今や一般大衆にまで浸透しつつあり、関連企業は新たな市場の開拓に向けて積極的な投資とサービス強化を進めている。

バーチャルIP市場の成長可能性に注目したネイバーは、2024年末に自社のマルチプラットフォームアプリ「プリズムライブスタジオ」に3Dアバターライブ機能を追加した。これにより、スマートフォンでも3Dアバターを使用したライブ配信が可能となり、VTuberとファンがより近い距離で交流できる環境が整った。モバイルでのバーチャル配信の普及により、新たなストリーマーやVTuberの参入が加速すると予想されている。

また、韓国の配信プラットフォーム「SOOP(旧アフリカTV)」は、バーチャルファンダムコミュニティ「ファンダムワールド」をリリースし、ファンとストリーマーがより密接に交流できる場を提供する計画だ。このプラットフォームでは、ファンダム活動の持続性を高めるために支援モデルが導入され、視聴者とストリーマーが共に成長できる仕組みが整えられる。

さらに、バーチャルIP市場において積極的な投資を続けている企業としてIPX(旧LINE FRIENDS)が挙げられる。同社は2022年からバーチャルIP事業に本格参入し、「プレイブ」などの人気バーチャルアイドルの制作を主導してきた。最近では、3Dコンテンツ制作会社「A-FUN Interactive」へ50億ウォン(約5億円)を投資し、バーチャルIP事業のさらなる拡大を図っている。加えて、韓国国内の主要MCN(マルチチャンネルネットワーク)やエンターテインメント企業と提携し、VTuberの技術支援やファンとのコミュニケーション強化に取り組む方針を打ち出している。

特にIPXは、単なるバーチャルアイドルのデビューにとどまらず、グローバルファンダムの形成と収益モデルの拡張に注力している。グッズ制作やライセンス事業、広告モデル活動、ライブ配信など、多様なオンライン・オフライン活動を通じてバーチャルIPの価値を向上させ、海外市場においても競争力を確保しようとしている。こうした動きは、バーチャルIPがデジタルコンテンツの枠を超えて、実際のエンターテインメント産業の重要な要素として成長することを示唆している。

業界関係者は「2024年はバーチャルIPの成長可能性を証明した年であり、2025年にはコアなファン層だけでなく一般大衆にも愛されるバーチャルIPが誕生する年になるだろう」と予測している。また、「企業の積極的な投資が、バーチャルコンテンツのグローバル市場進出を加速させる」とも述べており、韓国発のバーチャルコンテンツが今後さらに拡大する可能性があることを示唆している。

バーチャルIPは、もはや単なるデジタルキャラクターにとどまらず、世界的なエンターテインメント市場における新たな柱となりつつある。この変化は、韓国のKカルチャーとも結びつき、新たなファンダム文化を形成する可能性が高い。今後、バーチャルIPがどのように進化し、国際的なエンターテインメント市場での存在感を増していくのか、その動向に注目が集まる。

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